「MON SURRÉALISME」と呼ばれ、他の超現実主義と傾向をややことにするその詩風と明記し、特定のモチーフの利用、繰り返しの多用、固有名の引用、フランス語の多用、非日常的な修飾関係等を指摘しています。
「MON SURRÉALISME」は、日本語で「私の超現実主義」という意味です。上田敏雄は「上田敏雄の超現実主義」を生み出し変化させていったということでしょう。
上田敏雄の立場は、『仮説の運動』の時代の芸術の自立的なメカニズムを認める立場と対照的に、戦後はカトリシズム思想等外部からの概念導入なしに芸術世界の成立はないという立場に変化していったことについても、真鍋氏は記述しています。
上田敏雄は、晩年68歳の時点における日本の超現実主義グループを四つに分類しています。(「私のシュルレアリスム詩観」(1969年3月、『暦象 64』)
- 超自然主義(西脇順三郎)
- シュルレアリスム(瀧口修造)
- アブストラクト(北園克衛)
- 芸術のカトリック派:「神学の概念を詩論の範囲に導入する立場」(上田敏雄)
「神学の概念を詩論の範囲に導入する立場」というのがどういう立場なのかは、私が一読してわかるものではなく、上田敏雄が書いた作品を時間をかけて読みたいと思います。
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