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2014年3月21日金曜日

上田敏雄の遺作 『「存在を問う」とは?』

春分の日、祝日、来たる3月30日の祖父上田敏雄の33回忌にむけて、祖父の筆跡を追っている。
2年前に私が手元に持っていた祖父の作品は母から借りていた詩誌の1つの作品だった。
それから叔母や家族の協力を得て、今では数百の作品名の情報と数十の原本に囲まれている。

今の今まで、『キリスト・リアリズムの演出 「啓示・リアリティ」の問題』(『1981、暦象』第96号)が祖父の遺作だと思っていた。祖父のことを調べ始めて最初の頃に読んだ『やまぐちの文学者たち』に、それが「最後のエッセイとなる」と記されていたからだ。

ところが、山口県詩人懇話会の代表の方が、今回あらためてまで調べてくださった結果を見ると、『「存在(リアリティ)を問う」とは?』(1981、『現代山口県詩選』)の方が約1ヶ月発刊日が遅い。調べてくださったのは昨年のことだが、実際に両作品の原本と発行日情報を見て、遺作は『「存在(リアリティ)を問う」とは?』なのだと私は今日明白に認識した。

発行年だけでは、どちらが後かわからないと思い、電話で発行月の確認をお願いしたところ、ご丁寧に発行月日を確認してくださった。本当にありがたい。ちなみに、その際に、他にも1982年に祖父が泣くなった後に発刊された追悼文に書かれていた内容が、現在に残る原本とは異なることも判明した。正確な情報を現在および後世に残したいと考える私からすれば、”重大事件”だった。

約30年で、人間が”事実”が何かを確認することは容易ではない。過去を調べる者は、今の私のようにヒヤっとしたり、また時には跳んで喜ぶような発見をしたような気分になるものなのだろう。

作品名はホームページに発行順に記載する。


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