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2015年7月11日土曜日

「日本超現実主義詩論」読後

数週間前、上田敏雄の「日本超現実主義詩論」が載っている『詩と詩論』を手にした。
読後感はショック、そう、正直にショックという単語が脳裏に浮かんだ。

「此の三千大千世界の百億の日月、<略>、シューランガマスートラの中に広く説くが如し。」と
始まる長文。続く詩論を読破する前に、私の頭の中に般若心経が流れてきた。

その後、子供の頃に父方の祖母から推薦された本、倉田百三の『出家とその弟子』を読んだ。それから、下記の本も読んだ。

 『「意識」とは何だろうか-脳の来歴、知覚の錯誤』 下條伸輔 
 『考えすぎる脳、楽をしたい遺伝子』 長沼毅 
 『解説ヨーガ・スートラ』 佐保田鶴治 

人間科学、生物化学、そしてインドのサーンキャ哲学をめぐって、現在の着地点は、般若心経のサンスクリット語版。昔から気になっていた箇所である「羯諦羯諦、波羅羯諦、波羅僧羯諦、菩提薩婆訶」の発音は「ぎゃていぎゃてい」というよりはむしろ「がーてーがーてー」のように聞こえる。本人としては嬉しい発見である。

そして今日、あらためて「日本超現実主義詩論」と対峙する。題名の「日本」の意味は何かという疑問を抱いたが、上田敏雄は必ずしも文章の内容を題名にする作家ではないからと自問自答。
やれやれ、すっかり振り回されてしまったようだ。

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